用語説明:アセチル化


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最近注目されているタンパク質の翻訳後修飾としてアセチル化(Acetylation)・脱アセチル化(Deacetylation)があります。
タンパク質 のアセチル化は、古典的には、DNA結合制御タンパク質であるヒストンを中心に報告されてきました。ヒストンが高アセチル化されている染色体領 域は、遺伝子の転写が活発に行われている領域に一致することから、ヒストンのアセチル化は遺伝子発現を正に制御していると考えられています。 反対に、ヒストンが脱アセチル化(低アセチル化)されることにより遺伝子発現は負に制御されると考えられています。



最近、ヒストンをアセチル化する酵素、ヒストンアセチル基転移酵素(Histone Acetyltransferase:HAT)の活性を持つ CBPやP/CAFが、ヒストンのみならず、有名な癌抑制遺伝子p53をアセチル化することが報告されました 。p53はアセチル化されることにより、その転写因子としての活性が増強され、下流にある増殖(細胞周期)抑制遺伝子やアポプトーシス関連遺伝 子などの発現を誘導すると考えられています。






p53と並び有名な癌抑制遺伝子に網膜芽腫タンパク質(pRB)があります。pRBによる癌抑制作用は、pRBが増殖関連遺伝子近傍に結合し、その遺伝 子の転写を抑制するためであることがわかっていましたが、遺伝子近傍に結合した後、どのような機構で転写の抑制が行われているかは不明でした。 最近、ヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase:HDAC)がpRBに結合していることが報告されました。ヒストン脱アセチル化酵素は、pRBを 介して増殖関連遺伝子周囲のヒストンに近づき、pRBの結合領域周囲のヒストンを脱アセチル化(低アセチル化)することができます。このヒストン の低アセチル化により、この領域のDNAとヒストンの結合が強まり、増殖関連遺伝子の転写が抑制されると考えられています。



現在までに、複数のヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤に強力な細胞増殖抑制作用や分化誘導作用があることが明らかにされています。すでに一部 の阻害剤は新規制癌剤としての臨床開発が行なわれており、注目されています。また、HIVなどのウイルスの初期転写因子は、宿主細胞のヒストン 脱アセチル化酵素に結合し、その酵素活性を利用することによりウイルス遺伝子の発現を誘導し、最終的にウイルスの増殖を誘導している可能性も 報告されています。

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