老化と長期の糖尿病患者に現れるタンパク質の構造的・機能的な変異に関与していると考えられている終末糖化産物 advanced glycosylation end products (AGEs ) は、ブドウ糖などの還元糖とタンパク質のアミノ基と反応した様々な構造をもつ付加化合物であり、いくつかの化学構造が報告されています。
CML とは?
AGEs 中でNε-(Carboxymethyl)lysine (CML) は、主要な免疫原性をもつ構造であり、腎炎、網膜症、アテローム性動脈硬化症などを併発した糖尿病患者において、その血中濃度が上昇していることが報告されています。CML も AGE リセプター (RAGE) に認識されます。CML / RAGE 経路は、NF-κB などの細胞シグナル伝達系を活性化したり、ヒト臍帯静脈内皮細胞においてvascular cell adhesion molecule-1 の発現を増強したりすると考えられています。
sRAGE (soluble RAGE) とは?
RAGE (AGE リセプター) は細胞表面分子である免疫グロブリンスーパーファミリーのマルチリガンドリセプターメンバーであり、 内皮細胞、平滑筋細胞、単核食細胞、周皮細胞、神経細胞、心筋細胞、メサンギウム細胞、肝細胞を含む多くの細胞株に発現しています。RAGE は異なる構造のリガンドと相互作用し、細胞内にシグナルを伝達します。このことは、特定のアミノ酸配列よりもむしろ3次元構造を認識することを意味します。つまり、RAGE はパターン認識受容体の要件を満たしています。免疫グロブリンスーパーファミリーの一員として、以下の多様なクラスのリガンドと相互作用します;AGEs、HMGB1(アンフォテリンとしても知られています)、アミロイドβペプチド、アミロイド、白血球接着受容体、プリオン、大腸菌curliオペロン、β-シートフィブリルと S100/calgranulins を含むいくつかの S100 タンパク質スーパーファミリーのメンバー。したがって RAGE は、炎症、糖尿病、アルツハイマー病(AD)、全身性アミロイドーシス、および腫瘍増殖を含むいくつかの病理学的プロセスに潜在的に関与している可能性があります。
RAGE の可溶性バージョンと呼ばれる可溶性RAGE (sRAGE) は、RAGE からマトリックスメタロプロテアーゼにより切断されて生成し、血清中で検出することができます。sRAGE に加えて、RAGE mRNA の選択的スプライシングから派生する別の可溶性 RAGE、内因性分泌 RAGE(esRAGE)が発見されました。
sRAGE は RAGE を介したシグナル伝達を中和することが想定されるために、種々の病理学的状態にある患者において、sRAGE の血清濃度の意義を検討する研究が行われてきました。ヒトにおいて、sRAGE レベルの低下は炎症制御の欠如および変化のバイオマーカーになります。sRAGE レベルの低下は冠動脈疾患の高いリスクと関連していることが示されました。アルツハイマー病患者では脳血管性認知症とコントロールの患者と比較して、血清 sRAGE の減少が観察されています。一方、血清中の sRAGE レベルの増加は、末期腎不全と急性肺損傷患者で見出されています。
生体内に存在する終末糖化産物 AGE の構造が抗AGE 自己抗体、特にCML 自己抗体を惹起する免疫学的エピトープとして作用していると想定されてきました。Shibayama 等は、AGE 構造に対する自己抗体、殊にstreptozotocin (STZ ) 誘導糖尿病ラットやいくつかの疾患の患者におけるCML 付加物に対する自己抗体の存在を示しました。CML 付加物に対する自己抗体は、健常人や腎疾患を伴わない糖尿病患者より、腎疾患を併発している糖尿病患者においてより 高値を示しました。これらの結果は、CML に対する自己抗体が糖尿病の腎症または慢性腎疾患の発症に重要な役割を演じていることを示唆しています。
抗CML自己抗体とは?
老化と長期の糖尿病患者に現れるタンパク質の構造的・機能的な変異に関与していると考えられている終末糖化産物 advanced glycosylation end products (AGEs) は、ブドウ糖などの還元糖とタンパク質のアミノ基と反応した様々な構造をもつ付加化合物であり、いくつかの化学構造が報告されています。それらの中でもNε-(Carboxymethyl)lysine (CML) は、腎炎、網膜症、アテローム性動脈硬化症などを併発した糖尿病患者において、その血中濃度が上昇していることが報告されています。さらに近年、この CML に対する自己抗体が、streptozotocin (STZ) 投与による糖尿病モデルラットや腎疾患を伴う糖尿病患者において見出されていることから、糖尿病による腎疾患の発症に関与していると考えられています。
CircuLex Anti-CML autoantibody ELISA Kit は、CML-BSA およびBSA を固相化したマイクロプレートを用いた競合的ELISA 法により、血清や血漿中の抗CML 自己抗体を半定量する試薬です。
終末糖化産物 advanced glycation endproducts (AGEs ) は、蛋白質と糖との間の非酵素的糖化反応 (メイラード反応) の後期段階で生成する構造体の総称で、老化や長期の糖尿病等でおこる蛋白質の構造的、機能的な変性に関与しています。
CML やCEL は、主なAGE 構造体の一つです。いくつかの糖尿病の合併症例で血中CML 濃度が増加することが報告されています。
また、AGEs は、ブドウ糖からだけでなく、グリケーションにより生成するジカルボニル化合物、糖自動酸化や糖代謝からも生じます。急速に進行する糖尿病で形成される様々なタイプのAGEs が、ヒトメサン
ギウム細胞でDNA 合成の阻害やアポトーシスを誘導することが報告されています。